強アルカリ性試料を塩酸標準液で中和滴定で測定しています。 単成分にも関わらず変曲点が複数現れ、ばらつきも大きく、終点の検出がうまくいきません。
水酸化ナトリウムなどの強アルカリ性の試料が、空気中の二酸化炭素を吸収したことが原因と考えられます。
吸収された二酸化炭素は、水酸化ナトリウムと反応して炭酸ナトリウムを生成します。
炭酸ナトリウムを塩酸標準液で中和滴定すると、反応は2段階となるため、変曲点が二つ現れます。
【参考資料】
H1 水酸化ナトリウムの純度測定
https://www.hiranuma.com/product/titr/app/pdf/H01.pdf
H2 水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウム混合液の分別定量
https://www.hiranuma.com/product/titr/app/pdf/H02.pdf
保管中に試料が二酸化炭素を吸収しないように、よく密栓できる容器に保存してください。
また滴定の際は試料は撹拌されているため、測定初期の高pH領域において、二酸化炭素を吸収するおそれがあります。
その場合には測定容器のヘッドスペースに、窒素ガスをパージしながら滴定することで、二酸化炭素の吸収を抑制することができます。
窒素ガスパージの方法と器具を以下の動画にて紹介していますので、ご参照ください。
※「この動画は再生できません」と表示されている場合は、
スーパーリロードをお試しください。
[Windows:Ctrl+F5 / Mac:Command+Shift+R]