多塩基酸のような変曲点を二つ以上示す滴定を行っています。得られた測定値は予想値よりもかなり低い滴定値を示します。終点として意図する位置は2段目の変曲点ですが、1段目の変曲点を終点として検出しているとみられます。滴定装置の条件設定により、適切な位置の終点を検出することは可能でしょうか。

パラメータ検出開始mL、連続滴加mLを利用することにより、意図する位置よりも手前の滴定値で現れた変曲点を終点として検出させなくすることができます。
各パラメータの機能は次のようなものです。

(以下の動画にて、実際の測定による機能説明をしております。ご参照ください)

①検出開始mL:設定した量の滴定値に達するまでは、滴定曲線が変曲点を示しても終点として検出しない

1段目の変曲点が現れる滴定値よりも大きい値を設定することで、1段目の変曲点を無視します。
またこのパラメータは、滴定初期に電極電位が安定しにくく、滴定曲線がガタガタしやすい測定の場合、滴定初期のノイズを終点として誤検出することを避けるためにも用いられます。

②連続滴加 mL:滴定開始直後、設定した量の滴定液を分注を行い、その後は通常の滴加制御を行いながら終点を検出する

1段目の変曲点が現れる滴定値よりも大きい値を設定することで、1段目の変曲点を描かせなくします。
またこのパラメータは、測定時間の短縮にも有効です。

変曲点が現れる滴定値が予想できない場合には、次のパラメータが利用できます。

③連続滴加pH(mV)、検出開始pH(mV)

滴定曲線の横軸・滴定値ではなく、縦軸pH(mV)の設定値に対して連続滴加、検出開始の制御を行います。

以上の3つの方法を用いて、炭酸ナトリウムの中和滴定を例として、変曲点1段目を検出せずに、変曲点2段目を検出させる方法を、以下の動画にて紹介しています。パラメータ設定の参考としてください。

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