過塩素酸滴定用の(比較)電極の内部液は何を使えばいいのですか?
過塩素酸滴定では、溶媒として酢酸がよく使用されます。
酢酸溶媒に水分が混入すると過塩素酸の酸としての強さが弱められた結果、終点における電位変化(微分値)が小さくなる傾向を示します。
一般の比較電極を用いて過塩素酸滴定を行うと、比較電極の内部液(KCl溶液)が、スリーブを通して水分として酢酸溶液に混入します。
この対策として、比較電極の内部液としては水分を含まない飽和過塩素酸ナトリウム酢酸溶液に入れ換えて使用します。
【内部液の作成方法】
(過塩素酸ナトリウム(無水)を使用する場合)
過塩素酸ナトリウム(無水)(純度96%以上)10gを、酢酸(純度99.7%以上)50mLに加えて撹拌します。30分〜1時間で溶けきらなければ飽和と判断し、一夜静置後の上澄み液を内部液とします。
(過塩素酸ナトリウム一水和物を使用する場合)
過塩素酸ナトリウム一水和物(純度98%以上)15gを、酢酸(純度99.7%以上)20mLに加えて撹拌します。30分〜1時間で溶けきらなければ飽和と判断し、一夜静置後の上澄み液を内部液とします。
上記内部液はどちらの方法で調製したものでも使用することができます。
一般的には過塩素酸滴定の被滴定液は水をできるだけ含まない方が望ましく、変曲点終点の明瞭さに影響を与えます。
過塩素酸ナトリウムは毒性があり、刺激性を持ちます。
また、加熱すると強力な酸化剤となりますので取扱いには注意が必要です。
こぼした場合には、水で十分洗浄してください。
【使用可能電極】
セパレートタイプ GE-101B、RE-201 (内部液を上記に変更)
コンビネーションタイプ GR-511B (内部液を上記に変更)
【内部液入れ換え後の電極について】
内部液を変更した比較電極については、過塩素酸滴定専用で使用していただく必要があり、水系の中和滴定には使用できなくなります。内部液を変更した比較電極は、水に浸漬して長期間保管することを避けてください。
保管する場合には、内部液補充口を閉じて、スリーブを下した状態で、適当な試験管に挿入して、パラフィルムで試験管上部と電極の隙間を被い、試験管立などで縦にして保管してください。
以下の動画にて、内部液の調製と交換の手順を紹介しておりますので、ご参照ください。
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